長崎大学生命医科学域研究キャリア支援室 (BRCS)

Biomedical Research & Carrier Support Office Nagasaki University

お知らせ

INFORMATION
2022年04月22日

BRCS/MEDURA基盤研究(B)研究計画調書作成指針の公開

生命医科学域研究キャリア支援室BRCSと医学部研究高度化支援室MEDURA共同制作の基盤研究(B)をターゲットとした研究計画調書作成指針を公開しました。各チェック項目を参考にして科研費の申請書作成にお役立て下さい。

BRCS/MEDURA基盤研究(B)研究計画調書作成指針

BRCS:MEDURA査読指針 ver_1

<査読チェックリストと申請者への注意点>

概要と本文のチェックポイント

1 研究目的、研究方法など
概要 <最重要パート。審査員の心を打つか客観的にチェックする>
o 3つの項⽬(背景、⽬的、展開)が簡潔に書かれているか
o 専門外にも分かりやすいか(声に出してみる)
o 簡潔すぎないか(アバウトすぎる表現になっていないか)
o 重要性・必要性が伝わるか
o ワクワク感があるか
o 意義が適切に聞こえるか(論理展開がすっと頭に入ってくるか)
o 実績、独自性独創性、予備データ有り、等のアピールポイントが簡潔に書かれているか
o 「概要」であるから、学術的問い、背景、目的、これまでの経緯と準備状況、方法、将来展開と意義、と申請本文の内 容が簡潔に漏れなく纏まっているか

(1) 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」
o 「学術的背景」としてこの研究テーマのまとめが分かりやすく、俯瞰的・歴史的に捉えて書かれているか。
o 申請者のこれまでの研究と学術的背景における位置について触れているか
o 問題提起や核心的問いにつながる内容が論理的か
o 「核心」をなす学術的問いか?
o 解明すべきこと、未解決な点が明確に書かれているか
o 目的、方法、展望などが一目でわかる概念図はあるか(絶対ではないがあると分かりやすい)

(2) 本研究の目的および学術的独自性と創造性
o 「⽬的」は具体的、かつこの研究期間の目標が絞られているか
o 「核心をなす問い」に答えるために、繋がりは明確であるか
o 「学術的独⾃性、創造性」の説明がアピールされており、十分に魅力的に聞こえるか
o サイエンスとして本当にノベリティがあるのか

(3) 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ
ポイント:フルペーパーの原著論文だとイントロの後半にあたる。前半のレビュー部分(申請書では(1))に書かなかった内容にした方が良い。前半では大きな視点での歴史を述べ、書いた核心的問いに至った経緯に留め(大きな意味での問題提起)、ここからは、上記の「核心的問い」に答えるための着想、(2)の研究目的に絞り込んで、それに対する他のグループの研究と成果、それに対する批判、疑問、加えて自分達のこれまでのアプローチと成果、疑問、自己批判、その上で今回の新しいアプローチを考えた(選んだ)理由を述べる。アピールは(2)に書く。

o 文献が適切に引用されているか
o 本当に申請しようとしているフィールドの世界的状況を把握しているのか
o 論理展開はスムーズか
o 飛躍し過ぎていないか
o 萎縮し過ぎていないか
o (1)(2)と重複していないか

(4) 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
ポイント:具体的研究計画の内容を記載する。できるだけ具体的に。しかし、簡潔に。目的や意味を忘れずに説明する。研究⽅法は具体的に書くこと「測定する」「調査する」だけでは不⼗分。常にその先の具体性まで書く(作業リストにならないようにする)レイアウトはきれいにすること。余⽩を作り全体的に配置のメリハリをつける。何か図を入れる。モノクロでも分かりやすい図に気をつける(写真は要注意)

o 具体的か(数量、解析方法、使用細胞、使用動物、臨床試験ならサイズやコホート割り付け等)
o 十分な内容か
o 個々の項目が、⽬的→⽅法→予想される結果、の順に書かれているか
o 手法が限定され過ぎてないか
o チームの役割は妥当か
o チームの繋がりは明確か
o スケジュール感は妥当か
o 図の説明は分かりやすいか

(5) 本研究の目的を達成するための準備状況
o 申請段階での研究の進捗状況が書かれているか
o 興味深いデータであるか
o 予備データを少しでも作って示しているか(あれば極めて有利)
o データがあればその図表が適切かつ簡潔に示されているか

2 応募者の研究遂行能力及び研究環境

(1) これまでの研究活動
o 関連する研究実績をできるだけ内容に踏み込んで書かれているか。
o 文献は絞り込んで記載されているか
o 研究費獲得実績もアピールされているか
o 研究分担者についてもしっかり書かれているか
o 研究代表者、研究分担者のこれまでの研究実績、保有する経験、知財、優位性が生かされている申請内容と読めるか

(2) 研究環境(研究遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等を含む)
o 適宜記載されているか

<その他の重要なチェックポイント>
o 研究チームの構成は妥当で、役割はクリアか
o 予算の妥当性(計画内容と齟齬はないか)
o 予算的に見た時の実施可能性と必要性は明確か
o タイトルはインパクトがあるか

申請書フォーマットとしてのチェック項目
o フォント、サイズは見やすいか
o 行間、余白スペースは妥当か(余白があり、全体的にメリハリがついているか)
o 図表は適切なサイズで分かりやすいか
o 分かりにくい長い文章はないか
o 略語は適切に説明されているか
o 誤字脱字はないか
o アンダーライン、太字、網掛けなどの強調が使われ過ぎて読みづらくないか
o 似た内容をコピペ感覚で繰り返していないか